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独占禁止法について


1.独占禁止法とは
 独占禁止法は、企業活動の基本的なルールを定めた法律です。その正式な名称は
「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といい、昭和22年に制定されまし
た。
 わが国は自由経済社会です。このような経済社会では、国や政府が何をどれだけ生産
するかを決めて命令するのではなく、多数の企業がそれぞれ独自に判断して生産を行い
ます。そして、企業はその商品が消費者に購入されることを目指して競争し、消費者は品
質が良く値段も安いものを選ぶように努めます。
 独占禁止法は、このような自由経済社会の長所をいかすためにある法律で、自由な企
業の存在と有効な競争を確保することが、わが国経済の民主的な発展につながり、消費
者の利益になるという考えに基づいて制定された法律です。

2.公正で自由な競争を促進
 独占禁止法は、「公正かつ自由な競争」を促進して、わが国経済の効率的な運営を図
ろうとする法律です。
 ここでいう「公正かつ自由な競争」とは、市場に自由に進出することができることや、そ
の市場で企業活動を自由に行えるということであり、また、公正な手段で競争できるとい
うことです。
 企業は、「公正かつ自由な競争」により創意工夫を発揮して、品質のよい安い商品やサ
ービスを消費者に提供し、その結果、利潤という報酬を得ることができます。また、消費
者は企業の提供する商品やサービスのうちから、安くて優れたものを選ぶことができる
わけです。
 独占禁止法は、大企業もあり小企業もある現実の経済の中で、可能な限り有効な競
争、公正で自由な競争を促進するよう努めているのです。

3.カルテルの規制
 カルテルとは、2以上の同業者が市場支配を目的として、価格や生産・販売数量などを
制限する協定、合意をいいます。その制限しようとする内容によって、価格カルテル、数
量カルテル、市場分割カルテル、入札談合などがあります。
(1)不当な取引制限の禁止
 事業者は不当な取引制限をしてはならない(第3条)とされています。
 不当な取引制限とは、@その業界に属する事業者(同業者)がお互いに連絡を取り合
って、A本来個々の事業者がそれぞれ自主的に判断して決めるべき事業活動(価格や
数量、設備などの決定)について共同して決定し、B市場において有効な競争が行われ
ないような状態をもたらすことをいいます。このような「契約」「協定」「申合せ」などが禁止
されています。
(2)国際カルテルへの参加禁止
 事業者が不当な取引制限を内容とする国際的協定を締結すること、つまり国際カルテ
ルへ参加することは、禁止されています。(第6条)
 独占禁止法は、国内市場だけでなく、わが国と外国との間の取引についても競争制限
の効果が国内市場にもたらされる場合には、規制することにしています。
(3)事業者団体の活動規制
 事業者団体が、「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」は、禁止され
ています。(第8条)
 事業者団体が一定の事業分野における事業者の数を制限したり、団体に属している事
業者の機能や活動を不当に制限したり、事業者に不公正な取引方法に該当する行為を
させるようにすることなども禁止されています。

4.独占・寡占の規制
 少数の企業が市場における供給のほとんどを支配している場合には、競争は有効に
機能しなくなります。そこで、独占禁止法は独占や寡占に対して種々の規定を設けていま
す。
(1)私的独占の禁止
 事業者は私的独占をしてはならない(第3条)とされています。
 私的独占とは、事業者が単独で、あるいは他の事業者と結合するなどして、人為的に
他の事業者の事業活動を排除したり支配することによって、公共の利益に反して、一定
の取引分野において競争を実質的に制限することをいいます(第2条5項)。したがって、
品質の優れた安い商品を供給する企業が、競争によって結果的に市場を独占するよう
なことになっても、違法とはなりません。
(2)独占的状態に対する措置
 寡占産業で、有効な競争がなく弊害が発生している場合には、公正取引員会は、独占
的状態にあるとして、トップの企業などに対して、営業の一部の譲渡その他競争を回復さ
せるために必要な措置を命ずることができるようになっています。(第8条の4)
 独占的状態というのは、次の要件に該当する市場の状態をいいます(第2条7項)
@その産業の年間供給額が1000億円を超える規模であること
A首位企業の市場シェアが50%を超えているか、または上位2社の市場シェアが75%
 を超えていること
B他の企業がその産業に入ってくることが難しいこと
C需要が減ったりコストが下がっても、価格が下がらないこと
D過大な利益をあげているか、または販売費及び一般管理費の支出が過大であること

5.不公正な取引方法の規制
 競争が国民経済の効率を高めるよう機能するためには、良質・廉価な商品やサービス
の提供を手段とする公正な競争が行われることが必要です。このため独占禁止法は、公
正な競争を阻害するおそれのある行為を「不公正な取引方法」として禁止しています。
(1)不公正な取引方法とは
 不公正な取引方法とは、「公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引
委員会が指定するものをいう」とされています(第2条9項)。
 次のような取引が、指定されていますが、多くは、行為の形態から直ちに違法となるの
ではなく、それが不当なときに違法となります。
@取引拒絶
  特定の事業者と取引しない、あるいは取引させないという行為で、共同して行う場合と
単独で行う場合とがあります。
A差別価格
  販売地域や取引の相手先によって同一の商品やサービスの価格に差をつけたり、取
引条件などで差別をすることは、それが不当に行われた場合には違法となります。
B不当廉売
  不当に安い価格で販売し、競争者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合に
は、違法となります。
C不当顧客誘引
  虚偽や誇大な広告によって顧客を誘引したり、過大な景品を付けて商品を販売する
ような行為は、消費者の正しい商品選択をゆがめることになりますので、違法となりま
す。
D抱き合わせ販売等
  ある商品を販売する際に、他の商品も同時に購入させる抱合せ販売は、取引の強制
であり、不当に行われる場合には違法となります。
E排他条件付取引
  自己の商品だけを取り扱い、他の競争者と取引してはならないとする専売制は、競争
者の取引の機会を奪ったり、新規参入を妨げるおそれがある場合には、違法となりま
す。
F優越的地位の濫用
  取引関係において優越した地位にある大企業が、取引の相手先に対して不当な要求
をすることは、違法となります。
(2)事業者団体と不公正な取引方法
 事業者団体が事業者に働きかけて不公正な取引方法に該当する行為をさせることは、
違法となります(第8条)。
(3)国際契約と不公正な取引方法
 事業者が、不公正な取引方法に該当する事項を内容とする国際的契約を結ぶことは、
違法となります。
(4)下請代金支払遅延等防止法
 「下請法」と略称されるこの法律は、下請取引における親事業者の優越した地位の濫
用行為を迅速かつ効果的に規制することにより、親事業者の下請事業者に対する取引
を公正にするとともに、経済的に弱い立場にある下請事業者の利益を保護することを目
的としています。
 そのため、下請法は、親事業者による受領拒否、下請代金の支払遅延、下請代金の
減額、返品、買いたたき、購入強制などの下請取引における不公正な取引方法を規制し
ています。
(5)不当景品類及び不当表示防止法
 「景品表示法」と略称されるこの法律は、過大な景品類や虚偽・誇大な表示による不当
な顧客誘引行為を迅速かつ効果的に規制することにより、公正な競争を確保し、消費者
が適正に商品を選択できるようにすることを目的としています。

6.独占禁止法違反に対する措置
 独占禁止法に違反すると、公正取引員会に勧告、警告等の措置をとられたり、場合に
よっては、刑事告発されたりして、企業の社会的信用を失いかねません。
(1)排除措置命令と審決
 公正取引員会は、公正で自由な競争秩序を回復するために、違反行為者に対して、そ
の違反行為を排除する等の措置をとるよう命ずることができます。この排除措置命令
は、審決という形で行われます。
(2)課徴金
 カルテルが行われた場合には、カルテルを行った企業や事業者団体の会員に対して、
カルテルの排除措置のほかに、課徴金を課すことになっています。
 課徴金は、カルテル禁止規定の実効性を確保するために、一定の算式によって計算し
た額を国庫に納付することを命ずる行政上の措置です。
 課徴金の額は、次の算式により算定されます。
 カルテル期間中の対象商品の売上額 × @製造業等=大企業10%、中小企業4%
                           A小売業 =大企業3%、中小企業1.2%
                           B卸売業 =大企業2%、中小企業1%
  ・ 違反行為を早期にやめた場合、上記の算定率を2割軽減した率
  ・ 繰返し違反行為を行った場合、上記の算定率を5割加算した率
(3)損害賠償
 独占禁止法で禁止されているカルテル、私的独占、不公正な取引方法等を行った事業
者及び事業者団体に対し、被害者は損害賠償の請求ができます。この被害者には、事
業者に限らず一般消費者も含まれます。この場合、民法による通常の不法行為責任と
は異なり、事業者は故意または過失がなかったことを証明しても損害賠償責任を免れる
ことができません。
(4)罰則
 独占禁止法違反行為は、犯罪行為として刑罰(懲役または罰金)を受けることがありま
す。
 刑罰を受ける者は、違反行為に責任のある人(その企業の中でカルテルを決定した責
任者)で、さらに両罰規定により事業者や事業者団体にも罰金が科されますし、違反の
計画を知りながらこれを防止しなかった企業の代表者や事業者団体の役員に対しても罰
金が科されます。


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