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公益通報者保護法について


1.法律の目的(第1条)
 「この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公
益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保
護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規
定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目
的とする。」
 この法律には、国民の利益にかかわるコンプライアンスの実現と、それに貢献した通報
者の保護という2つの目的が併存しています。

2.公益通報の定義(第2条)
 本法で保護の対象となる「公益通報」を次の通り定義しています。
@ 不正の目的なく、
A 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、
B 次のいずれかに通報することをいう。
   ア)労務提供先もしくは当該労務提供先があらかじめ定めた者
   イ)当該通報対象事実について処分権限を有する行政機関
   ウ)通報対象事実の発生もしくはこれによる被害の拡大を防止するために
     必要である者

3.保護される通報対象事実
 本法での保護対象事実は、この法律に掲げる7つの法律(刑法、食品衛生法、証券取
引法、農林物資表示適正化法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、個人情報保護法)と、
「個人の生命または身体の保護、消費者利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保
その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として別表に掲
げるもの」において「犯罪事実」とされる事実です。
 一定の法律に規定された犯罪にかかわる事実に通報事実が限定されており、経営者
の単なるスキャンダルなどは「通報対象事実」には含まれないことになります。
 
4.保護される通報者
 「公益通報者」とは公益通報をした「労働者」をいう(第2条第2項)とされています。
労働者には、正規雇用者だけでなく、パート、退職者、派遣社員も含まれています。
 
5.通報先ごとの保護要件

○ 事業者内部への通報先と保護要件
 @ 事業者内部への通報先は労務提供先またはその指定先です。事業者が労働組合
   を通報窓口として認めている場合を除いて、労働組合は外部となります。
 A 派遣社員や下請業者の従業員が内部への通報としての保護を受けるには、派遣 
   先企業や元請業者に通報しなければなりません。派遣元や下請業者への通報は外
   部への通報となります。
 B 内部への通報は、行政機関やその他の外部への通報よりも保護要件が緩和され
   ています。事業者内部への通報を優遇することで、内部に通報を誘導するためで 
   す。
   保護要件は、
   * 「不正の目的でないこと」
   * 通報対象事実(犯罪行為)が生じ、またはまさに生じようとしていると「思料する
     場合」です。
     「思料する」とは、事実でなくとも通報者の判断を尊重するものです。

○ 行政機関への通報とその保護要件
 @ 事業者内部への通報と異なる点は、通報事実の真実相当性(信ずるに足りる相当
   の理由があること)が求められることです。客観的に事実であることまでは必要では
   ありませんが、そう「思料」しただけでは足りません。
 A 行政機関とは、対象となる犯罪事実について、「処分または勧告等をする権限を有
   する行政機関」です。
   * 事業者の立場からは行政機関も外部ですが、監督官庁への通報は真実相当 
     性の要件だけであり、それ以外の外部への保護要件と比べて大幅に緩和されて
     います。

○ その他の外部への通報の保護要件
 @ 保護される外部通報先は、「労務提供先の競争上の地位その他の利益を害するお
   それがある者でないこと」および、その者に対し「当該通報対象事実を通報すること
   がその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる
   者」です。
   (被害者、消費者団体や環境保護団体、事業者団体、報道機関などがこれに当た 
   るとされており、ライバル企業などは除かれています)
 A 不正目的でないこと、および真実相当性に加えて、次のイ)からホ)のいずれかに 
   該当することが必要です。
  イ)労務提供先または監督官庁に通報すれば解雇その他の不利益処分を受けるお 
   それがある場合
  ロ)労務提供先に通報すれば証拠が隠滅等されるおそれがある場合
  ハ)労務提供先または監督官庁に公益通報しないことを、正当な理由なく要求された
   場合
  ニ)書面(電子メールなども含む)により、労務提供先に通知後、20日を経過しても調
   査を行う旨の通知がなく、又は正当な理由なく調査をしない場合
  ホ)個人の生命・身体に危害が発生し、または発生する急迫した危険がある場合

6.保護の内容
 @ 本法の対象となる通報による解雇は無効とし、労働者派遣契約の解除も無効とさ 
   れます。降格、減給などの不利益処分や事実上のいやがらせ行為なども禁止され 
   ています。
 A 本法での対象事実は犯罪行為であることから、契約上および法律上の守秘義務は
   免除されています。
 B 事業者から外部通報者に対して名誉毀損などによって損害賠償請求がされること
   もありえますが、公益性と真実相当性を理由に賠償義務を認めていません。


* 本法への対応
 本法は内部告発の時代の流れにあって、最小限度の範囲で公益通報としてこれを保
護する制度ですから、会社にとってその遵守は当然のことですが、こうした問題を回避す
る最も効果的な対策は、トップが従業員の声に耳を傾けることであり、従業員からの信頼
を得ることです。
 会社として、倫理的に正しい行動を取り、社会的に信頼を得るためにも、積極的に、従
業員から信頼を得ることができるような通報窓口を設置することが重要です。
 公益通報を行おうと考える従業員にとって、自分がリスクを冒して行っている通報に対
して適切かつ誠実な対処をしてくれる窓口が設置されていることは極めて重要なことがら
です。


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